たった一行に表れる企業姿勢
教育・コンサルティング事業部アールオンワードの松岡利恵子です。
一流ホテルで培った接遇・コミュニケーションスキルと、長年の司会経験を生かしたプレゼンテーション術・話し方をお伝えしております。
さて今回は言葉づかいの大切さを改めて感じる出来事をお伝えします。
先日某誌面でマナーに関する気になるコラムを見つけました。
その具体的な内容はまた後日お伝えしますが、そのコラムに書かれているマナーに関するダメだしに対し私は疑問を覚えたのです。
確かにビジネスマナー本には載っていない観点かもしれないという点でしたが、だからこそ現場のビジネスマンが勘違いをしてしまう可能性があると感じました。
マナーは現場で使いにくいものであってはただの堅苦しいものになってしまいます。
そこでどうしてこの見解なのかを問い合わせしました。
私の見解も含め、
「以上の点で、会社の衰退につながるというほどの対応と問題になる点はどの点であるかご回答をお願い致し
ます。」
と締めくくりました。
それに対しての返答は
「ご指摘は承りました。筆者に伝えさせて頂きます」
とのこと。
私は問い合わせをしたことに心底後悔しました。
私はクレーマーでもなく、純粋に自分の知らない見解なのかもと思い問い合わせをしていたのです。
もしかしたらたくさんの方が購読している新聞ですので、そんな意見はいちいち答えていられないのかもしれません。
ただこうした思いは少し言葉を選ぶことで大きく変わるのではないでしょうか。
まず私は筆者に伝えることを求めているのではなく、「回答をお願い」と伝えているのです。
この返答は「これはおいくらですか?」→「そこに書いてある通りです」と答えるくらい欲しい答えとズレている印象です。
そして指摘は欠点や過失を具体的に取り上げて指示すことで、私はあなたが間違えていると糾弾したわけではありません。
また「~させていただく」は、こちらの許可に合わせて動く意味を表す言葉なので、積極的にご意見を承り考察します!という言葉になりません。
私が伝えてほしいといったから伝えるのではないということですよね。
表記は漢字ではなくひらがな表記が妥当であると思うのです。
最終私が感じたことは、この返答の文言であれば重箱の隅をつつくようなマナーのコラムは、特に深い考えもないのだろうなということです。
考えがないから回答もできないということなのかも…とまで思ってしまいます。
たった一行の言葉にどこまで気遣いを込めるかでビジネススキルまで問われてしまうのだということ、そして人の指摘の前に自分を磨くこと…
反面教師で私も勉強に励もうと感じました。